環境保全活動 取組事例

鉄道事業における取組み

鉄道は、エネルギー効率の高い輸送機関であることから、より多くのお客様にご利用いただけるよう努めておりますほか、省エネルギー車両の運行、省エネルギー機器の使用、騒音対策などにも取り組んでいます。

開業120周年を迎える2025年4月からは、列車運行及び駅施設等で使用する全ての電力を実質的に再生可能エネルギー由来のものに置き換え、実質的にCO2排出量をゼロにするカーボンニュートラル運行を実施。これは阪急電鉄とともに関西の鉄道会社として初めての取組みです。

電車のブレーキで発電

電車の減速時、走行用のモーターを発電機として動作させてブレーキに使用する「回生ブレーキ」を全ての車両で採用しています。これにより発電した電力を架線に送り返し、付近を走る車両で利用しています。

回生ブレーキで発電される電力(回生電力)の有効活用

神戸三宮駅では、回生電力を駅舎の動力設備(昇降機、空調等)で使用できるようにする駅舎補助電源装置を設置しています。この装置により、年間140,000kWhの回生電力を有効活用しています。

LED照明の導入

駅施設や車庫等の鉄道関係施設のほか、車両の室内灯や計器照明などについても省エネルギー性の高いLED照明を積極的に導入しています。

太陽光発電設備の導入

環境省の第1回脱炭素先行地域に選定された「阪神大物地域ゼロカーボンベースボールパーク整備計画」の一環として、大物駅、杭瀬駅に新たに太陽光発電設備を設置し、2024年2月から運用を開始しました。大物駅は年間153,000kWh(一般家庭における年間電力使用量 の37世帯分相当)、杭瀬駅は年間145,000kWh(一般家庭35世帯分相当)の発電量を見込んでおり 、いずれも発電した電力は、駅構内のエレベーターやエスカレーター、照明設備等で使用しています。なお、当社初の太陽光発電設備は2014年4月に大石駅に設置しており、年間123,000kWhを発電しています(一般家庭30世帯分に相当)。

環境省「世帯当たり年間エネルギー種別消費量(固有単位)および支払金額(令和3年度)」に基づいて算出しています。

騒音・振動対策

1本のレールの長さが200m以上のロングレールを使用し、継ぎ目を少なくして、乗り心地の向上と騒音・振動の軽減に努めています。また、コンクリート道床とまくら木の間にゴム製等の弾性材を設置し、列車の走行に伴う振動の低減を図っています。

不動産事業における取組み

商業施設ビルやオフィスビルにおいて、環境負荷の軽減や省エネルギーに配慮したシステムの導入に取り組んでいます。

オフィスビルや商業施設への再エネ電力の導入

当社では、サステナビリティ宣言の下、その重要テーマの一つとして「環境保全の推進」に注力しており、その一環として、大阪梅田ツインタワーズ・サウス※1 、ハービスOSAKA、ハービスENTなど大阪梅田地区及び沿線のオフィスビルや商業施設など※2において、実質的に再生可能エネルギー由来の電力を導入しています。
対象物件を順次拡大しており、2025 年度には大阪梅田地区及び沿線で運営するオフィスビル・商業施設などにおける電力使用量※3の大部分を再エネ電力に置き換える予定です。

  • ※1テナント専用部の一部を除く。
  • ※2建替・再開発予定の物件、使用電力が極めて小さい物件など、一部の物件を除く。
  • ※3ガスコージェネレーションシステムによる自家発電分を除く。

「梅田ゆかた祭」における打ち水イベント

梅田地区エリアマネジメント実践連絡会を中心として、日本文化・環境をテーマに、様々なコンテンツを展開する「梅田ゆかた祭」。このイベントにおいて、2012年から梅田の雨水等を利用したお客さま参加型の打ち水イベントを実施し、梅田地区に集う人々の環境意識の向上に貢献しています。

清掃活動(ダイヤモンド地区/西梅田地区)

当社などで構成する大阪ダイヤモンドシティ(ODC)協議会及び西梅田地区開発協議会では、各地区における振興・発展を目的として、にぎわい形成のためのエリアイベントや合同防災訓練など様々な取組みを行っており、その一環として、毎月、同地区内で清掃活動を実施し、街の美化に貢献しています。

スポーツ・レジャー事業における取組み

天然芝の阪神甲子園球場の運営を通じて、緑豊かなスポーツ観戦環境を提供するとともに、太陽光発電設備の設置や雨水の有効利用など、環境に配慮した取組みを推進しています。 また、「阪急阪神ホールディングスグループ サステナビリティ宣言」において定めた6つの重要テーマの1つである「環境保全の推進」に取り組むため、阪神甲子園球場における環境保全プロジェクト「KOSHIEN“eco”Challenge」を2021年12月に宣言し、来場されるお客さまのご協力を得ながら、協賛企業の皆さまとともに様々な環境保全活動に取り組んでいます。

更に、2025年3月末には、阪神甲子園球場においてコーポレートPPA等を活用した電力使用により、スタジアムとして全国初となる実質再エネ100%を実現。また、ゼロカーボンベースボールパークでは、エネルギー消費量の削減と太陽光発電・蓄電池の導入や廃棄物発電の活用により「脱炭素化」を図っています。

詳しくはWebサイトをご覧ください。

太陽光発電

阪神甲子園球場では、2007~2009年に実施したリニューアル工事に伴い、新しくなった銀傘に太陽光発電装置を設置し、年間193,000kWhを発電しています。これは球場ナイター照明において1年間で消費する電力の2倍に相当します。今後は、将来的な太陽光発電装置の更新も含め、更なる再生可能エネルギーの活用に取り組みます。

リサイクルカップの活用

2012年から、阪神甲子園球場内で使用後のポリエステル製ビール用プラスチックカップを帝人フロンティア(株)と共同で分別回収し、球場イベントで配布されるノベルティやグラウンドのラバーフェンス中材クッションなどにリサイクルする取組みを拡大してきました。お客さまに向けた回収協力の呼びかけを強化することなどにより、プラカップの回収率を更に向上していきます。

リサイクル素材の活用

2022シーズンから球場職員のユニフォーム(ポロシャツ)の素材として、リサイクルポリエステル繊維を採用しています。リサイクル素材を活用した商品開発にも取り組み、活用用途の拡大を図っています。

雨水・井戸水の利用

阪神甲子園球場では、2009年のリニューアル工事以降、敷地内の井戸からくみ上げる井戸水に加えて、銀傘に降った雨水を地下タンクに貯水し、グラウンドへの散水や場内トイレの洗浄水に使用しています。これにより、球場が年間に使用する水量(約 66,600㎥)の約65%を賄っています。今後は、汚水排出量の削減にも取り組みます。

阪神タイガースファーム施設「ゼロカーボンベースボールパーク」

2025年3月に阪神タイガースファーム施設「ゼロカーボンベースボールパーク」が開業しました。地域活性化と脱炭素化の両立を目指す、プロ野球球団と地方自治体との協同事業の一つとして、尼崎市と協力し整備・運営しています。環境省の第1回「脱炭素先行地域」にも選定されています。

脱炭素化に向けた取組み

ゼロカーボンベースボールパークでは、太陽光発電・蓄電池の導入や廃棄物発電の活用、省エネ徹底による「脱炭素化」、ペットボトル・プラスチックカップの回収・リサイクルや雨水・井水の活用といった環境に優しい取組みを行っています。
また、建築物のエネルギー効率が優れていることを示す「ZEB認証」制度により、「日鉄鋼板 SGLスタジアム 尼崎」がZEB Oriented認証※1を、「室内練習場・虎風荘(1階部分)」がNearly ZEB認証※2を、いずれも野球施設として初めて取得しました。
これらの取組みを来場された多くの方々にお知らせしていくことで、脱炭素や環境対策に対する市民の意識や行動の変容を目指します。

  • ※1延べ面積が10,000㎡以上の建物で、基準一次エネルギー消費量※3から40%または30%(建物用途による)以上のエネルギー消費量削減に適合した建築物に与えられる認証。
  • ※2基準一次エネルギー消費量から75%以上のエネルギー消費量削減に適合した建築物に与えられる認証。
  • ※3平成28年省エネルギー基準で定められた、建物用途や面積・設備などの一定の条件の元で想定されるエネルギー消費量。

詳しくはWebサイトをご覧ください。